秋の仕入れで気をつけていること
毎年秋になると、仕入れの量が増えます。冬に向けて衣類の需要が高まり、ギフトシーズンに向けた食品や雑貨の問い合わせも増えるからです。量が増えると、判断の基準が曖昧になりやすい。坂本 蓮が仕入れのたびに自分に問いかけていることを、ここに書いておきます。
「自分が使いたいか」という最初の問い
仕入れの判断で最初に使うフィルターは、「自分がこれを使いたいか」という問いです。売れるかどうかより先に、自分が手に取りたいと思えるかどうかを確認します。この問いに「はい」と答えられないものは、どれだけ説明が上手くても、お客様に伝わらないと感じています。
これは主観的な基準ですが、これまでの仕入れのなかで、この問いを飛ばして仕入れたものが売れ残ることが多かったという経験則でもあります。
「背景を説明できるか」という二つ目の問い
次に確認するのは、「この商品の背景を自分の言葉で説明できるか」です。素材の産地、製法の特徴、つくり手がなぜこの方法を選んでいるか。これらを自分の言葉で話せないものは、仕入れません。
背景を知るためには、つくり手と直接話す必要があります。展示会のブースで5分話すだけでは足りないことが多く、工房を訪ねたり、メールで質問を重ねたりする時間が必要です。この時間を惜しむと、商品の説明が薄くなります。
「一年後も置いていたいか」という三つ目の問い
最後に、「一年後もこの商品を棚に置いていたいか」を考えます。トレンドに乗っているだけのものは、半年後に古く見えることがあります。素材や製法に根拠があるものは、時間が経っても説明の言葉が変わりません。
この三つの問いをすべて「はい」で通過したものだけを仕入れています。結果として、入荷量は多くなりませんが、棚に並んだものへの自信は持てます。
仕入れの基準や、特定の商品についての詳しい話は、店頭でもメールでもお聞きします。